概要

弊社では、厳しく管理された高い基準の品質管理によりペプチドを受託合成しています。ペプチドの製造施設はISO 9001:2008認証された総合的品質管理(TQM)に準拠しています。このプラットフォームでは、ペプチドの精製とQCプロセスの各段階で質量分析(MS)と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による品質検査を3回繰り返すことにより品質を確保しています。TQMの最終段階では、品質に関する最終の出荷前確認を実施し、各ペプチドに対する品質を検証(QA)しています。

TQM Platform for Peptide Services

TQMプラットフォーム

AccuPepQC+ webpage
ペプチドの品質信頼性と合成再現性をより確実にするための品質管理に関してはAccuPepQCのwebpageをご覧下さい。

ArgonShield™ packing service webpage
弊社の研究室からお客様の研究室までカスタム ペプチドの完全性をどのように維持するに関してはArgonShield™ packing service webpageをご覧下さい

品質保証書の内容

  • HPLCレポート

  • 質量分析レポート

HPLC report

精製を繰り返しても、合成ペプチドの最終産物中に少量の不純物が残存している可能性があります。このため、合成したペプチドはすべて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)により純度分析を行っています。


RP-HPLCとは?

RP-HPLCは広範に使用されている分析装置で、試料中に混在する成分を分離することができます。通常は試料を水に溶かして装置にかけますが、溶解補助に有機溶媒や酸を混和させることもあります。被験物質は、水と有機修飾剤からなる移動相に乗って運ばれ、特定の長さの炭素鎖で表面処理された多数微小粒子が充填されたカラムの固定相を流れていきます。その際、被験物質(この場合、合成ペプチドと混在する不純物)は疎水性の固相表面に吸着されます。移動相中の有機修飾剤の濃度が上昇するにつれ、被験物は固定相から脱着して溶出されます。脱着は試料成分の特性に依存するため、成分ごとにカラム内の滞在時間が異なります。この滞在時間はリテンションタイムと呼ばれています。ペプチド結合は紫外線波長220nmで吸光度が最大値になるため、RP-HPLCでカラムから溶出されるペプチドは、紫外線分光光度計によりこの波長で検出します。検出された信号は、UV吸収と溶出時間を指標とするクロマトグラフに記録されます。

溶出ペプチドのクロマトグラフィーによる解像度は使用するカラムや有機修飾剤などに依存しますが、とりわけ溶出勾配に大きく左右されます。ペプチド生産においては、カラムの性能を最大化する理論段数を定期的に確認しており、さらに種々のペプチドを分離するためにそれぞれに対応した溶出勾配を確立しています。これらのプロセスは、最高の解像度を得るためにペプチドの受託合成ごとに行われています。弊社では、受託合成ペプチドの分離効果を高め、純度の測定精度を最大化するために、RF-HPLCによる分離精製プロトロールの改良に特別な注力をしています。

受託合成ペプチドのHPLCレポート

Custom Peptide HPLC report
  1. HPLCで使用する移動相と溶出勾配:ペプチドの分離性能は使用する有機修飾剤と溶出勾配に大きく依存します。
  2. 吸収波長:ペプチド検出は、アミノ酸結合の吸収が最大値になる紫外線波長220nmを使用します。
  3. カラムの種類と次元:RP-HPLCではカラムの選択が重要です。ペプチドの分離には一般的にC18カラムが使用されています。
  4. デッドタイム:有機溶媒や酸がカラムに保持されるまでの時間で、それ以前はクロマトグラムにターゲットペプチドのピークは現れません。
  5. 主要成分の溶出ピーク(ターゲットペプチド):ターゲットペプチドや不純物の保持時間です。ピーク面積により純度を算出します。系が安定していれば、ベースラインは平坦な直線になります。ピークが重なっている場合は、垂直分割線によりターゲットペプチドのピーク面積が示されます。
  6. ピークテーブル:クロマトグラムに現れた全ピークを、保持時間に従い一覧表にします。ターゲットペプチドの面積比(%)はHPLCでのペプチド純度算出に使用されます。

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