
シングルB細胞スクリーニングプラットフォームについて
シングルB細胞のスクリーニングプラットフォームは、シングルセルクローニング技術としても知られているマイクロチャンバーシステムを使用しています。このプラットフォームでは、細胞融合やライブラリー構築をすることなく、B細胞を単離してスクリーニングおよび評価を行います。さらに、プラットフォームはハイスループット装置と統合されているため、効率的にアッセイすることができます。
シングルB細胞スクリーニング受託サービス
当社は、マイクロチャンバーを使用するBeacon™システムを用いることにより、独自のシングルB細胞スクリーニングプラットフォームを構築しています。当社では、数十年間におよぶ抗体創製や細胞操作の経験を基盤とし、このプラットフォームを用いて抗体探索のための“One-Stop Solution”を提供しています。

サービスの特徴
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- スループット:11,000および14,000 nanopens/chip
- 自動化:インポート→スクリーニング→エキスポート自動化による人的ミスの低減
- 数分で結果をアウトプット
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- 詳細な特性評価:親和性、特異性、機能性
- タンパク質測定およびセルベースアッセイに適用
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- ハイブリドーマ:1/1000 ~ 1/2000
- シングルB細胞スクリーニングプラットフォーム:1/10 ~ 4/10
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- OptoElectro Positioning(OEP)技術使用
- 品質管理をデジタル記録:写真およびビデオ画像
シングルB細胞スクリーニングでは、B細胞を単離しマイクロチャンバーに隔離して細胞を個別に調べるため、B細胞の多様性が損なわれることなく、検討可能な抗体レパートリーを最大化することができます。マイクロチャンバーシステムでは、最適に調整された濃度により、各シングルセルから分泌される抗体を数分以内に検出することができます。この効率性により、リード抗体を分泌するB細胞クローンを1日以内で特定すること可能です。さらに、このプラットフォームでは、感染患者が回復した後のPBMC(末梢血単核細胞)や、ヒト型抗体を産生するトランスジェニックマウスのエキスプレス免疫後のB細胞を使用することで、完全なヒト型抗体を1ヵ月間程で得ることができます。2020年2月、GenScriptの社内で行われた実験により、SARS-CoV-2に対する、複数の有望なリード抗体が12時間以内で取得できており、この成果の達成において、当社のシングルB細胞スクリーニングプラットフォームが必要不可欠なものであることが実証されています。詳細はケーススタディーをご覧下さい。
Case Study
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122 bead binder
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95 cell binder
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35 cross reactive to cyno antigen
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82 mapped to a different epitope than a positive control antibody
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The flow chart shown the results of one of our case study. 8058 single B cell isolated in one chip, 122 of which are antigen specific binders, and 95 of the binders shows activity of cell surface binding. the binders showing cross reactivity with cyno (35) was collected for single cell sequencing.
ハイブリドーマ、抗体ライブラリー、およびシングルB細胞の各プラットフォームは、いずれも強力な抗体探索法です。ヒトナイーブ抗体ライブラリープラットフォームは、免疫の必要がなくライブラリーを直接使用することができます。しかし、スクリーニング結果はライブラリーの質に大きく依存します。また、ライブラリー構築に使用するディスプレイ技術はクローニングの性質上、VLとVHの同族対合は保証されません。一方、ハイブリドーマプラットフォームは、長い歴史を基盤とする確立された技術です。しかし、ハイブリドーマ作製には、種特異的なフュージョンパートナー細胞と融合させてB細胞を不死化する必要があります。このことは、ハイブリドーマのレパートリーが、フュージョンパートナー細胞との融合効率により大きく制限されることを意味します。また、最適なハイブリドーマの選択にスクリーニングを複数回繰り返す必要があり、時間的にも負担となります。シングルB細胞スクリーニングプラットフォームでは、スクリーニングプロセスが劇的に迅速化され(当社実績で1日)、さらにB細胞の多様性も潜在的に確保されます。今日、抗体医薬創薬を迅速に進め、且つより大きな成功を得るために、この技術を利用する企業が増えてきています。詳細な技術情報については以下の表をご覧下さい。
リードジェネレーションで使用されるプラットフォーム3種類の比較
ハイブリドーマ | ヒトナイーブ抗体 ライブラリー |
GenScriptシングルB細胞 スクリーニングサービス |
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抗体ソース | マウスまたはヒト | ヒト | マウスまたはヒト |
B細胞多様性保存率 | 1/1000—1/2000 | 不確定 | 1/10—4/10 |
親和性 | 高い | 比較的低い | 高い |
軽鎖と重鎖のペア | Y or N | N | Y |
ダウンストリームでの潜在的ボトルネック | ヒト化 | 親和性成熟 (オプション) |
シングルセルシーケンシング |
スクリーニング期間 | 3ヵ月間 | 1~2ヵ月間 | 1日 |
B細胞を単離する技術とプロセスにより、対応する複数のスクリーニングツールが選択可能です。しかし、抗体医薬創薬に使用するスクリーニング法の選択には、アッセイにおいて重要となる精度、性能、感度に注意する必要があります。当社では、解析ソフトを搭載したBeacon™のOEP(OptoElectro Positioning)システムを使用しており、シングル細胞を精密に制御することで個別細胞を正確に解析することが可能であり、多種類のアッセイ試験にも対応しています。このため、お客様の期待に応える有望なリード抗体分子を1日で探索し、提供することができます。
シングルB細胞スクリーニングの各種プラットフォームの比較
プラットフォーム | スループット | 正確性 | 自動化 | 感度 | アッセイ性能 | |
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多重試験 | セルベースアッセイ | |||||
FACS (蛍光活性化セルソーティング) |
中 | 低 | 低 | 低 | 可 | 不可 |
マイクロドロップレット法 | 高 | 低 | 中 | 高 | 可 | 不可 |
マイクロ/ナノウェル | 中 | 中 | 低 | 高 | 不可 | 不可 |
マイクロフリュイディック チャンバー(Beacon™) |
充分 | 高 | 高 | 高 | 可 | 可 |
GenScript シングルB細胞スクリーニング受託サービスの各種パッケージ
スループット:1チップ
マイルストーン | 試験項目 | 納期 | |
---|---|---|---|
材料の調製 | タンパク質の標識 | ||
細胞の評価(FACS) | |||
免疫 | オプション1:タンパク質による免疫(通常動物) | 8~10週間 | |
オプション2:タンパク質による免疫(ヒト化マウス) | 8~14週間 | ||
シングルB細胞アッセイシステム :Beacon(1チップ) |
必須 | IgG付加磁気ビーズによる試験 | 1~2週間 |
抗原特異的結合分子を付加した磁気ビーズによる試験 | |||
オプション | 指標とする1種類のエピトープに対するセルベースのエピトープマッピング | ||
セルベースの抗原結合アッセイ | |||
セルベースの種交叉性試験 | |||
セルベースのリガンド結合阻害試験 | |||
セルベースのマルチプレックス化キャプチャーアッセイ(例:種交叉反応、追加抗原による結合試験) | |||
シーケンシング | トータルcDNAの回収およびシングルセルのVH/VL遺伝子をシーケンシングするために、シングルB細胞を(選択基準に従い)選取しエキスポート | 1週間 | |
リコンビナント抗体の産生 | 抗体の発現と精製 | 1~2週間 |
*スクリーニングアッセイは1日以内で完了し、その後はデータ処理や試験に関するお客様とのコミュニケーションに充てられます。
スループット:2チップ、困難なターゲットに対し特に多くの抗体クローン取得が可能
マイルストーン | 試験項目 | 納期 | |
---|---|---|---|
材料の調製 | タンパク質の標識 | ||
細胞の評価(FACS) | |||
免疫 | オプション1:タンパク質による免疫(通常動物) | 8~10週間 | |
オプション2:タンパク質による免疫(ヒト化マウス) | 8~14週間 | ||
シングルB細胞アッセイシステム :Beacon(2チップ) |
必須 | IgG付加磁気ビーズによる試験 | 1~2週間 |
抗原特異的結合分子を付加した磁気ビーズによる試験 | |||
オプション | 指標とする1種類のエピトープに対するセルベースのエピトープマッピング | ||
セルベースの抗原結合試験 | |||
セルベースの種交叉性試験 | |||
セルベースのリガンド結合阻害試験 | |||
セルベースのマルチプレックス化キャプチャーアッセイ(例:種交叉反応、追加抗原による結合試験) | |||
シーケンシング | トータルcDNAの回収およびシングルセルのVH/VL遺伝子をシーケンシングするために、シングルB細胞を(選択基準に従い)選取しエキスポート | 1週間 | |
リコンビナント抗体の産生 | 抗体の発現と精製 | 1~2週間 |
*スクリーニングアッセイは1日以内で完了し、その後はデータ処理および試験に関するお客様とのコミュニケーションに充てられます。
スループット:2チップ
マイルストーン | 試験項目 | 納期 | |
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材料の調製 | DNAプラスミド合成 | ||
DNAの評価と遺伝子弾の調製 | |||
タンパク質の標識 | |||
細胞の評価 | |||
免疫 | オプション1:DNAによる免疫(通常動物) | 10~12週間 | |
オプション2:細胞による免疫(ヒト化マウス) | |||
オプション3:DNAと細胞による免疫(通常動物) | |||
シングルB細胞アッセイシステム :Beacon(2チップ) |
必須 | IgG付加磁気ビーズによる試験 | 1~2週間 |
セルベースの抗原結合試験 | |||
オプション | 指標とする1種類のエピトープに対するセルベースのエピトープマッピング | ||
セルベースの種交叉性試験 | |||
セルベースのリガンド結合阻害試験 | |||
シーケンシング | トータルcDNAの回収およびシングルセルのVH/VL遺伝子をシーケンシングするために、シングルB細胞を(選択基準に従い)選取しエキスポート | 1週間 | |
リコンビナント抗体の産生(オプション) | 抗体の発現と精製 | 1~2週間 |
*スクリーニングアッセイは1日以内で完了し、その後はデータ処理および試験に関するお客様とのコミュニケーションに充てられます。
受託サービスのフローチャート

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