高密度培養によるタンパク質産生受託サービス
哺乳動物細胞を宿主とする発現系は、リコンビナント抗体/タンパク質産生の主要なシステムです。E. coli、酵母、昆虫細胞などによる発現系と異なり、哺乳動物発現系ではタンパク質の適切なフォールディングや翻訳後修飾が行われることから、特にヒトや哺乳動物のタンパク質産生に理想的です。しかし、一般的に哺乳動物細胞の発現系では高い産生量が得られず培養の大規模スケールアップが必要になり、それに応じてタンパク質入手までに時間を要しコストも膨らみます。
高密度培養による一過性タンパク質発現サービス
弊社では高密度(HD)培養による一過性のタンパク質産生サービスを実施しています。このサービスでは、哺乳動物細胞を高濃度培養し、ご希望のリコンビナント抗体やタンパク質を高い収率で産生し提供します。哺乳動物細胞を高密度培養することで、通常の一過性によるタンパク質産生サービスとは比較にならない、高収率での機能性タンパク質や抗体の産生が可能になっています。これにより、細胞内タンパク質や抗体を含む分泌型タンパク質をグラムレベルで提供することができ、タンパク質の機能や構造に関する研究、さらには治療研究に使用することが可能になります。
HD(High Density)培養による一過性タンパク質産生サービスの主な特徴
- HDによるタンパク質産生の宿主細胞を選択
- HDと通常培養の一過性発現系でタンパク質産生を比較評価
- 発現が困難または低収率のタンパク質へのアプローチ
- 収率を最大100倍まで改善
- 作業期間の短縮(遺伝子シークエンシングからタンパク質/抗体産生まで最短10週間)
- 最大3g/Lの抗体産生価

図1:通常の一過性発現とHD一過性発現との収率比較。様々な動物種のモノクローナル抗体6種類の産生レベルを示す。
HD培養による一過性タンパク質産生サービスの詳細
お客様提供 | マイルストーン | 作業期間 | 納品物 |
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ターゲットシークエンス(DNAまたはタンパク質)/DNAテンプレート/発現ベクターコンストラクト | 遺伝子合成とクローニング | 3週間 |
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発現量の評価(30mL) | 2週間 |
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通常培養とHD培養の一過性共発現でタンパク質産生を比較評価(40mL) | 2~3週間 |
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スケールアップ(1L~10L) | 3~4週間 |
*QCデータ:rAbの純度はSDS-PAGEやHPLCにより、また濃度は分光光度計によりA280吸光度を測定します。必要に応じてLC-MSを使用します。エンドトキシンは、Charles River LaboratoriesのEndosafe-PTSにより検出します。
HD培養による一過性タンパク質産生サービスが有用なケース
- ダウンストリームで大量の機能性タンパク質/rAbが必要な場合
- 対象のタンパク質/rAbが低発現で、産生収率を増大させたい場合
関連サービス
以下に示す関連サービスをご覧ください。
- ハイスループットスクリーニング用の抗体が必要な場合:こちらhigh throughput antibody purificationをご覧下さい。
- 保証された抗体/タンパク質の産生が必要な場合:MamPower™ rAbまたはMamPower™ Proteinをご覧ください。
- リコンビナント抗体の一貫した大量生産が必要な場合:こちらstable cell line developmentをご覧ください。
リコンビナントタンパク質産生に関するこれ以外のサービスについてはこちら recombinant protein services main pageをご覧頂くか、弊社までご連絡下さい。
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