
CAR-T療法とは
キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor:CAR)T細胞は、免疫療法に用いる人工T細胞受容体を産生するように遺伝子操作されたT細胞です。
CAR-T細胞療法では、CAR(通常はscFvまたはsdAbを用いる)を遺伝子操作により導入したT細胞をがん治療に用います。CAR-T療法では、T細胞を、がん細胞をより効果的に標的化し攻撃するように改変します。
細胞外結合ドメインの抗原に対する親和性は、CAR-T細胞のターゲティング能力および殺傷能力に有意に影響します。

A.J. Smith et al. 2016. Chimeric antigen receptor (CAR) T cell therapy for malignant cancers: Summary and perspective
CAR-T療法開発ワークフロー


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- 治療用抗体の評価基準:生物学的機能、次いで親和性等
- mAbではなくScFvをCARリード生成で作製
- CAR-Tターゲティング性能および機能性を考慮し、アフィニティーのデータに基づくscFvまたはsdAb候補選択
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- 機能性アッセイを一次スクリーニングの直後に実施
- 良好な機能が得られる可能性を高めるため、スクリーニングの規模を拡大
- クライアント様の要求に応じた特異性試験の実施
- scFvやsdAbそのものの性能のみならず、CAR-T細胞の機能の検証
サービスのハイライト
CARリード作製のために設計された抗体開発戦略
- リード作製段階でSPRによるアフィニティーランキングを実施し、要求に応じたアフィニティーを持つリードを確保
- scFvおよびsdAb開発のための十分に確立された抗体最適化プラットフォーム
- 複数の in vitro バイオアッセイによる、CAR-T細胞の機能検証
scFvとsdAbの両方を作製するプラットフォームを保有
- ハイブリドーマ/シングルB細胞スクリーニング/sdAbナイーブおよび免疫ライブラリ
ダウンストリームのサービスとして、プラスミドおよびレンチウイルスベクターの製造プロセス開発およびGMP製造も提供可能です。
CAR Expression

Figure 1. 形質導入10日後の抗CD19CAR-T細胞および非形質導入対照細胞のフローサイトメトリー分析: 細胞を抗CD3抗体と抗FLAG(CD19‐FLAG)抗体で染色
Functional Validation
A
B
Figure 2. 抗CD19CAR-T細胞の機能検証: (A) CAR-T:Rajiを20:1の比率とし、抗CD19 CAR-T細胞の細胞毒性を24時間検証。Raji(CD19陽性)細胞はルシフェラーゼを発現するように操作され、細胞毒性はバイオルミネセンスシグナルの減少により推測。 (B)標的Raji細胞に応答した活性化CD19 CAR-T細胞によるサイトカイン産生の検証。ELISA法により、上清中の、抗CD19 CAR-T細胞からのIFN-γ分泌を分析。