抗体のスクリーニングと特性評価
目的の特性を有する抗体を確実に産生するには、最終的な抗体精製やクローン選択の段階に至るまで長い工程になります。使用用途に適した有用な抗体を得るためには、抗体のスクリーニングと特性評価が必要不可欠です。
Therapeutic Antibody Drug Discoveryの場合、スクリーニングと特性評価はより重要になります。モノクローナル抗体のアイソタイピングからアフィニティーランキング、スクリーニング、特性評価までの一連の試験は、リード抗体を合理的に選択するための基盤を成すものです。弊社では、長年にわたり培ってきた専門性と独自のハイスループット技術により、抗体のスクリーニングや特性評価試験の全般をカバーする包括的サービス提供が可能になっています。これら高品質サービスは、弊社が提供する他の抗体産生サービス( our custom antibody generation services)とのシームレスな統合が可能です。リード抗体医薬のスクリーニングおよび以下の基本的な特性解明であれば、1週間以内での対応が可能です。
抗体の重要な特性
エピトープビニング:抗体を、認識するターゲット上のエピトープにより分類。エピトープに対する特異的なターゲティングにより、部位特異的な阻害や活性化が可能。また、エピトープを見分けることで、キャプチャーエライザなどのアッセイ系構築も可能。
アフィニティーランキング:数千種類の抗体を、同時にアフィニティー値相対的にハイスループットスクリーニング。結合の相対的強度を評価することで、広範なアフィニティー値から用途に最適な値の抗体、あるいは最も高値の抗体を選択することが可能。
EC50 and IC50:アゴニストとしての半数効果濃度(EC50)あるいは半数阻害濃度(IC50)を測定することで、競合結合反応における抗体の有効性を判断可能。
交叉性:高い特異性を有している抗体でも、抗原に類似したエピトープとの非特異的結合を生じる可能性がある。交叉性を有する抗体を排除するネガティブスクリーニングにより目的の抗体が選別されるため、サブクローニングと培養における時間、労力、および費用を節約可能。
細胞を用いたスクリーニング:ELISA法やウェスタンブロッティング法は、大半のターゲットで有効なスクリーニングツールだが、細胞表面抗原に対する抗体の場合は細胞を使用したスクリーニングが最適。FACSによるハイスループットスクリーニングにより、表面抗原の天然構造を認識する抗体を迅速に識別することが可能。
抗体スクリーニングと特性評価のための独自技術
弊社では、抗体の迅速かつ正確なスクリーニングと特性評価を可能にする独自技術を開発しています。以下は弊社技術の概略で、EC50 & IC50測定、エピトープビニング試験、リガンドの阻害活性、交叉性試験を組み合わせることにより、目的に最適な抗体の合理的選択が可能になります。
GenScriptのスクリーニング技術 | アッセイの詳細 |
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Superdoma |
ハイブリドーマ作製の初期段階における、エピトープビニングと相対アフィニティーランキングによる機能性クローンの特定
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NativeSelect |
抗原の立体構造を維持しつつエピトープマスキングを回避した状態で実施する、キャプチャーELISA法による可溶性ターゲットのハイスループットスクリーニング
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HTS FACS |
蛍光活性化セルソーター(FACS)による膜結合型抗体のハイスループットスクリーニング
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抗体のスクリーニングと特性評価に関連した他のサービス
弊社では、 Therapeutic Antibody Drug Discovery Servicesなど抗体に関する試験研究支援として、リードジェネレーションからリードの最適化、さらに様々な規模でのリード産生まで、様々なサービスを提供しています。以下は、弊社が提供しているサービスの一例です。
- DNA immunization: in vitroでの抗原産生の必要がなく、困難なターゲットにも対応可能。
- High Throughput Gene to Antibody: リコンビナント抗体を迅速かつ効果的に最大1 mgまで産生。抗体医薬の探索に最適。
- Anti-idiotype Antibodies: CDR領域のみをターゲットとすることで特異的に抗体医薬を検出。