親和性を10~50倍に増強
胚中心において、B細胞が体細胞突然変異(SHM)を高頻度に繰り返すことにより、抗体の親和性、アビディティー、および活性が増強されていくプロセスの事を、アフィニティマチュレーションと呼びます。変異で生じた多様なB細胞群のうち、抗原に曝露されることにより特定抗原に対する高親和性抗体を発現するB細胞が維持され、他の低親和性抗体発現細胞は排除されます。このアフィニティマチュレーションプロセスは、ファージディスプレイ技術による抗原提示ライブラリー構築に応用されています。得られたライブラリーは、リード抗体のスクリーニングに広く使用されており、標的に対して10~100 nMの高親和性を有する抗体が得られています。抗体創薬においても、リード抗体の親和性を少なくとも10~50倍に増強するために、アフィニティマチュレーションが利用されています。
当社では、お客様からご提供頂く親抗体の遺伝子配列に基づき、FASEBA(Fast Screening for Expression, Biophysical-properties and Affinity)技術を使用して標的抗原に対する親和性を増強させるアフィニティマチュレーションサービスを提供しています。このサービスでは、標的抗原に対する親和性を5倍~最大100倍ほどまで高めることが可能です。当社のFASEBAはE. coliを用いた特許技術に基づく技術であり、親和性および発現レベルに優れ、且つ耐熱性を有するリード抗体を選別することができます。アフィニティマチュレーションサービスの納期は4~5か月間です。
FASEBAは、医薬品候補となる多数の抗体から最も優れた結合能を有する抗体を、精製することなくハイスループットでスクリーニングするための技術です。FASEBAでは、抗体の発現レベル、生物物理学的特性、結合親和性、細胞結合能、および機能的活性に基づきリード抗体を選別します。
当社独自のパラトープマッピング技術により、特定部位の抗体発現への影響(A)および抗体の結合能(B)について迅速かつ正確に測定が可能。以下のデータは、抗体の重鎖についての結果です。
A
B
アフィニティマチュレーション抗体は、野生型IgGおよびポジティブバインダー検体AS00498を使用し、FASEBAによりライブラリーからスクリーニングされました。AS00498は、野生型IgGに比べ結合親和性が38倍に上昇しており、反応性も向上しています。
当社は、アウトソーシングのOne-Stop solutionを提唱しており、モノクローナル抗体についても、遺伝子シーケンシングに留まらず、上流から下流までの包括的なサービスを提供しています。
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